おばけうさぎの断片的なこと、あれこれ

思いつきで書いたり書かなかったり

映画「あの頃。」感想 [ネタバレあり

・オタク、最高〜!!ノリな作品なのかな?と思っていたら後半のしっとり感がすごい。
・「今の自分が一番最高」というのは「一番イケてる!」っていう攻めの姿勢じゃなくて…いや攻めもあるんだろうけど、「自己受容」なのかな〜と思った。自分はダメで何もない→イケてるかは分からないけど、仲間もいるし推しもいる→人生は続く、ハロプロも続く……
・コズミン役の仲野太賀さんがめちゃくちゃすごい。小物で性格悪くて、でも推しには真摯(今度推しとの接触があるため、セリフに非常に勇気づけられました)なオタクから、まだ元気ながん患者→一気に弱る姿…と、振れ幅がすごい。原作は読んだので、コズミンが死ぬということは知っていたのだけど、ここまで描くとは……。あとコズミンを病室で世話する作中の恋愛研究会。メンバーも良かったですね。
・あの頃。前の予告で色々松坂桃李さんが出てきて、「めちゃくちゃ爽やかな人が…この後…オタクに…???」と思っていたんですけど、すごい!!めっちゃうだつの上がらない青年だ!!!!!となりました。本当序盤は捨てられた犬みたいな感じで、仲間が出来てからはイケてはいないんだけど生き生きとしだして……変化が……
・オタクを過度に「健全」に描いてなくて良かったです。最近はオタクの脱臭化が激しく(キラキラ✨オタクやってても仲間がいたら最高〜!)、個人的にはあまり好きではないのですけど、「推しの前にいるオタクはみっともない」「推しには真摯だけど、自分の欲にも向き合う」「めちゃくちゃにバカなことをやる」姿が好きな作品でした。
・オタクをやりながら、就職したり引っ越ししたり…とかそういうの、オタク作品だともっとウェットに描かれがちだけど(推しより生活が大事なの!?みたいな)、この映画だと淡々としていて良かったです。同時に「一緒にいないこと」の寂しさの描写もあり、うまいな…と思いました。
・最後の方の劒&コズミンの会話が好きすぎる。
・そしてここで爽やかに終わるのかな……と思ってからのあのエンディングは壮絶でもあり、オタク……となるシーンでもあり。

フックとしては「推しがいれば人生最高!」なんだけど、実際は「人生」の映画でしたね。