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おばけうさぎの断片的なこと、あれこれ

思いつきで書いたり書かなかったり

樋口一葉を読んでみたんですよ

引っ越してから樋口一葉が気になって仕方ない、何故かと言うと「樋口一葉終焉の地」の碑が近くにあるから。

気になって調べていたら、どうもここらへんは元々花街(しかし2流、3流どころ)だったらしく、確かに変わった作りの建物も多く、飾り窓というか料亭というか、そのような並びもあるが今はその場所に人が住んでいるのかいないのかわからぬといった次第。

ただ崖っぷちの上と下で並んでいるお屋敷の違いははっきりとしていて、上はどっしりと門を構えた大屋敷、私の住んでいるあたりはさながら貧乏長屋と言った感じの安普請のアパートが並んでおり、私のアパートも例外ではなく見た目には分からなかったが昨今の厳冬で初めて隙間風というものを知りました。

とにかくこの近辺は丘の高さが身分の高さ、住んでいる場所の住所をいうと「わあ高級~」とか言われることもあって首をかしげていましたが確かに明治~昭和初期の小説を読んでいると出るわ出るわここらへんのこと。

というか落語や歌舞伎にも出てきますけど、とにかく丘の高さと身分の高さが綺麗に比例していてこの21世紀、TOKYO、というときも変わらずそのままだと思うと文学少女的には感動なんだろうけれど、もうこの歳になってくると少女を語る年頃でもなく、ただ単に古臭いところと思うこともなきにしもあらず。

で、ここに住み始めて母親がやたら明治文学にハマったようで、電話するたびに語る語る。そして恥ずかしながら私はこの方明治大正昭和初期の文学、というか昭和中期まで、文学全集に入るような作家たちの作品をほとんど読んだこともなく森鴎外やら「ハン?」と思っていたのですが、どうやらこの土地と縁遠からずというか博物館まで残ってるくらいだしかじっとかないと、そしてついでに5000円札の幸薄そうな顔、樋口一葉も読んでみようじゃないかと思い重い腰を上げたのです。

まずは青空文庫著作権が切れていて、ちょっと読みたいくらいならここで充分、と思ったら樋口一葉の文章って読みづらいことこの上ない。何故かと言うと明治時代のくせに平安時代な文体で書いているし地の文と会話が入り乱れているから誰が何を言ってこの描写は誰視点なのかひと目ではまず分からない。

仕方ない、じゃあ本を探そうと思うとこれまた各社からいろいろ出てるんですね。

私が重要視したのは・現代仮名遣いに変更されていること・註釈がついていること・できれば1冊にまとまっていることの3点、なぜかってそんな集めるほど好きになるとは思えないし。

 

樋口一葉 [ちくま日本文学013]

樋口一葉 [ちくま日本文学013]

 

 
というわけでちくま学芸文庫の「樋口一葉」借りてみたけれど、ダメだわ、これ、現代仮名遣いとかいう問題じゃなかった、となって、仕方なく現代語訳(!明治時代の文章なのに)を探すことにしたのです。

今のところ出ているのは集英社文庫と河出文庫だけのようだったけれど、集英社文庫は大分思い切った改稿をやっているらしく、賛否両論と言った感じだったので、河出文庫から出ている方を購入してみました。

【買った方】松浦理英子さんなどが訳されています

 【買わなかったけど参考書としてはいいらしい】

 

たけくらべ (集英社文庫)

たけくらべ (集英社文庫)

 

 

とにかく樋口一葉の文体には訳者全員が「読みづらい」という点で合致していて、あとはどのくらい作品や一葉が好きか、というところになるのだけど、なぜ読みづらいのかと言ったら先程も書いた「平安時代な文章」(擬古文)で書かれているのと、句読点、とくに句点(。のこと)が非常に少なくて、一文が異様に長いし、その中に話者が入り乱れて出てくるのです。

それが樋口一葉の暮らしていた雰囲気を出すことに成功しているとも言えるし、文体が確立する前に死んじゃったから残念で、まだその頃は社会的にも文体がごった煮だったから、それ以降の流れに乗ってたらまた違かったろうに、というひともいました。

 

で、ここまで樋口一葉かぶれっぽく書いてみたのですが、これすっごく大変ですね!自分の言葉の息継ぎってどこでしてるんだろう!と思います。これで第三者に読めるよう、場所や人の説明やセリフも入れてるんだから、大したもんだな、と思いました。読みづらいし、基本的にバッドエンドの話だけど。

本当、惜しむらくはあまりにも早く亡くなったことですね。死因は労咳なのですが、どうもその前にも「文才があるから雑誌に載せたい」という人を「編集者がなんか気に食わない、なんかもっとインテリっぽい人がいい」つって断ったりしているらしい。どういうことだ。

 

きっと一葉自身もめちゃくちゃプライドが高くて、それで失敗していたことを自分でもよくわかってて、そういう登場人物が頻出しているのが面白いと思います。もう少し読み深めてみよう。