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おばけうさぎの断片的なこと、あれこれ

思いつきで書いたり書かなかったり

台湾と小説についてちょっと考えてみた

【明日から台湾に行ってきます】

明日から母と台湾に行ってきます。一週間も台北だぜわっしょい!と思いつつ、母親と同じなのでどんな珍道中になるやら。
しかしスポンサーは全部母親なので私は従うのみです。

私自身はこれが3回目の訪台になります。
1回目は友人と3年前、2回目は去年一人旅で。
そんなに台湾好きなのに、まだ夜市にも朝の屋台にも行っていない体たらくですが。

お茶が美味しく、まったりできて、暖かい台北が大好きなので、会う人会う人に良さを布教しています。

さて、台湾に行くきっかけになったのは、3冊の本との出会いです。

まず、 哈日杏子(はーりーきょうこ) http://harikyoko.wordpress.com/ さんの「哈日杏子のこだわり台湾案内」。

次に、アイビー・チェン http://www.wretch.cc/blog/ivyivychen さんの「台湾カフェ漫遊」。

上記2冊は、台北に住む台湾人の方による、こじゃれたお店の案内本です。

最後に、よしもとばななさんの「王国 その3 ひみつの花園 」 http://www.shinchosha.co.jp/book/135936/ 。

この本で、とどめを刺されました。

ちょっとネタバレになるのですが、恋を失った主人公が、それまで気が合わないなー、と思っていた相手と台湾に行くシーンが
最後にあるのですが、そこの描写が、台北が希望と力に満ち溢れていて、生き生きとした場所に思わせるものでした。

先に挙げた2冊のイメージもちょうどぴったり合っていて、行くしかない!と思って、
たまたま「どっか骨休みにのんびりしたい」と話しあっていた友人に「台湾行こう!」と持ちかけたことを覚えています。

【小説についてちょっと考えてみた】

で、今諸事情からいろいろ本を読み漁っているのですが、改めて「自分にとって『良い本』の基準はなんなんだろう」と考えています。

私は、本好きです。本屋好きです。
本屋に行かないと、活字を読んでいないと気が済まないです。
幼稚園児のころから図書館に通っていた本の虫です。

と言ってはいたものの、最近小説はほとんど読んでいませんでした。

働き始めてから技術書やビジネス書を読むことが多くなったとはいえ、
今はのんべんだらりとした休職中の身分なのに、です。

「面白い小説ないなぁ」

と思って、ほとんど手に取っていませんでした。(好きな作家は別。)

ペンネームが奇抜。
文体が読みづらい。
設定にのめりこめない。

などなどの理由から、手にとってもざっと流すくらいで、「これは!」と思う本にはほとんど出会っていませんでした。

しかし、先月からとある課題のため、自分の趣味ではないジャンルの小説に手を出して読んでいるのですが、
そこではたと「自分の思う『良い小説』ってなんだろう」という疑問にぶち当たりました。

売れている小説は良い小説、とも思わないけれど、マイナーすぎてもよろしくない(今の課題的に)。

まだあんまり文章として形にできませんが、箇条書きで「自分が思う面白い条件」を出してみます。

①前提を必要としない
 シリーズものの途中ならいざ知らず、最初から「読者はこういうことを知っているはず」ないし「知っていてほしい」という思惑が読み取れるものは、
 読んでいて「?」が飛び交って集中できません。

②主人公のキャラクターが画一的でない
 「僕はできるだけクラスの中で目立ちたくなくていつも一人で行動していて音楽を休み時間に聴いていて、だけど困っている(わがままそうな女の)人がいると
  ほっとけなくてついつい助けてしまう」みたいなキャラクターには心底うんざりしました。そもそも埋没したくない人は一人で行動しないっつーの、と
  つっこみを入れたくなります。

③文章だけで欲望をかきたてる
 感情、より欲望、が当てはまると思います。先ほど書いた「台湾に行きたい」と思わせるよしもとばななさんの文章。
 その場に行きたい、その音を聴きたい、触れたい、抱きたい、泣きたい、
 単なる「悲しくなった」「虚しくなった」というのではなく、欲望を直接刺激する文章。
 おそらく、小説じゃなくて、いわゆる「名文」というのはこれに当てはまるのだと思います。
 山田詠美さんの文章か彼女の小説の解説文で見た気がしますが、「感情をパッケージングして読者のその記憶を解凍させる」文章。
 これが一番大事な気がします。

 単に生々しい表現や極端な表現をしたからといって、多くの人々の「感情」は動かせても、「欲望」までは掻き立てないと思います。
 極端な表現は人を煽りはしますが、惹きつけはしません。

いみじくも、今月の「文藝」の「作家になるための小説心得」(山田詠美さんと星野智幸さんの対談)にもこういった部分のことがもっと深く、
的確に書かれていて、読んでいて膝を打ちっぱなしでした。 

 It Don't Means If It Ain't Got That Swing "スウィングなけりゃ意味がない " 
…ではなく、文章においては「かきたてなけりゃ意味がない」 な、と思うのでした。